「未知数だけど今後、台風の目になることは間違いない。迷わず一直線の押し相撲を目指すと言っているところが素晴らしい。他の学生力士を一気に追い抜く可能性もありますよ」
そう話す作家の高橋三千綱氏は、貴乃花部屋の20歳の双子力士にも注目する。先に十両入りを果たした弟の貴源治ではなく、兄の貴公俊を3年後の関脇に“抜擢”している。
「将来的には弟よりも兄。立ち合いからの速攻に魅力を感じる。前へ出ながらの投げあり、外掛けありと躍動感のある取り口で、北の富士(元横綱)のような力士になると見ています。3年後は無理にせよ、いずれ綱を狙える兄弟だと思いますよ」(高橋氏)
中入り後の土俵を宇良や石浦が沸かす一方で、十両では168cm、115kgの照強が輝きを見せている。
「私にいわせれば石浦より照強の方が活躍していると思う。翔猿を含めて小兵が上位陣を攪乱していると場所が楽しいと思うんですよ」(やく氏)
そうした若手の成長が予想されるなかで、ベテランは消えていくのみなのか。やく氏は
「3年後も残っていてほしい力士でいえば(35歳小結の)嘉風。38歳で幕内上位にいれば、希代の名力士と呼んでいいでしょう」と力を込めた。
激変の3年間がやってきて、大相撲は確実にもっともっと面白くなる。
※週刊ポスト2017年8月18・25日号