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がん患者がすがる「免疫療法」、医師同士は競合を詐欺師扱い

 そうした治療法が、なぜこれほどまでに普及しているのだろうか? がん患者会シャロームの代表・植村めぐみさんは、患者たちの切実な心理状況が影響していると話す。

「親友の女性はスキルス胃がんで、余命1年と告げられて免疫クリニックに通っていました。毎月80万円、10か月で800万円もかけて、効果は全くないまま亡くなりました。もう治らないと余命を宣告されると、誰でも冷静さを失って、免疫療法に傾いてしまう可能性があります」

◆「がんは待ってくれない」

 日曜日の昼下がり、東京・三鷹駅にほど近いビルの7階で、免疫療法の説明会が始まった。

「免疫療法に、反対する医者がいます。皆さんの主治医がそうなら、黙って来ればいいんです! 先延ばしして、いいことなんてありません。抗がん剤でNK(ナチュラルキラー)細胞が、やられちゃうので、抗がん剤入れる前に培養させてほしい。私からは一言だけ、がんは待ってくれない」

 早口でまくし立て、患者に同意を要求する講師。今すぐに免疫療法を開始しなければ手遅れになる気になってくる。

 この免疫療法は1クール(約3か月)で400万円を一括前払いする。2クール、3クールと続けていくと、老後の預貯金などあっという間に消えてしまう。これで命が助かるなら、出費も仕方ないかもしれないが、現実は厳しい。

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