〈朝日と東京新聞は菅さんが辞めるまで会見で攻めてくるつもりだろう。10年選手がそろっている官房長官番はなんとかしたほうがよいのではないかとも思う。記者会見の主催は記者会なんだから。(第1次安倍政権の)塩崎(恭久)官房長官の時は総理の盾に全くならなかったが、菅長官は矢面に立ってくれるからな。菅さんを代えたとしても、一時的に支持率が回復するかも知れないが、その後はまた下がって長くは持たないよ。週刊誌でいわれている俺と菅さんの不仲説はありえない〉
この“上から目線”の言い方を、今井氏の尻ぬぐいで批判を浴びている菅氏はどう聞いたのだろうか。
麻生副総理と今井氏も“不倶戴天”の関係にある。2016年5月の伊勢志摩サミット後の会見で、安倍首相は消費税増税の再延期を表明した。そのときに使われたのが今井氏が中心になってまとめた「世界経済はリーマンショック前夜に似ている」と分析した“今井ペーパー”だ。財務大臣でありながら直前まで知らされていなかった麻生氏は激怒し、“今井氏の胸ぐらをつかんだ”とも報じられた。
「この一件以来、麻生副総理は今井秘書官を全く信用していません。麻生さんの逆鱗に触れた今井氏は対抗するために二階俊博氏に接近。入院した谷垣禎一氏の後任として幹事長に就任させた。今年5月の二階訪中にも同行して親密さを見せつけたが、麻生さんは今井氏を孤立させるために今回の内閣改造でその二階幹事長の交代を安倍首相に迫った」(麻生派議員)
麻生氏、菅氏という政権の重鎮がまるで“モグラ叩き”のように今井氏を追い詰め、安倍首相から引き剥がそうとしてきたことがわかる。そして支持率低下と党内の反安倍ムードの高まりの中、安倍首相の信頼は揺らいでいく。
今井氏はオフ懇で自分を守ってくれない安倍首相への恨み言も漏らした。