私もこの“元”には反対で、番組でSMAPについて話すときや、こうして原稿を書いているときも“元”と付けたことは一度もない。
だが、時折、校閲室から「元」と直しが入ってくることがあり、そこに「ママ」(最初の原稿のままで、という指定)と記して返すこともしばしばあるのだ。
ときには「読者が、まだSMAPが存在していると勘違いしてしまうので」という上司からのお達しが担当編集者を通じて下ってくることもある。結局、折衷案として、最後に「編集部注」が付くことになった連載もある。
私が、「SMAPはまだ存在している」と感じるもっとも大きな理由の一つに、老若男女が歌える多くの名曲の存在がある。
8日の『ドデスカ!』では、メ〜テレの徳重杏奈アナによる「昨日、名古屋で行われたPerfumeさんのコンサートのゲストにみえたスガシカオさんが『夜空ノムコウ』を歌ってくださった」という情報も挿入された。
SMAP解散に大きな衝撃を受けたスガが、一度は「封印する(=歌わない)」と宣言した『夜空ノムコウ』だったが、再び観客と共に名曲を歌うことを選択。しかも、稲垣、草なぎ、香取がジャニーズ事務所を退所する前夜に歌ってくれたというのだ。
実は昨夏も今夏も、数々のコンサートで、ジャニーズの後輩グループの多くもSMAPのヒット曲をセットリストに加えていた。しかも彼らなりに「先輩・SMAPへ届け」とばかりに意味ある歌詞の曲を選んでいたように思う。
思えば、私がSMAP周辺の“異変”について耳にしたのは、2年前の9月17日のことだった。あれから丸2年。こんなことになってしまうとは正直、予想をしていなかったのだけれど、さすがに“現実”は受け止めている。ファンの皆さんも同じだろう。
9日、都電SMAP号を走らせたリーダーの女性は「三ノ輪駅」で下車する際、こうイベントを締めた。「稲垣くん、草なぎくん、香取くんは昨日で退所してしまいましたけれど、SMAPは、SMAPはなくならないんで。SMAPは、5人、6人でSMAPなんで」
恐らく他のファンの皆さんも同じ気持ちで、SMAPのデビュー26周年を笑顔でお祝いしたに違いない。昨日は何百軒のケーキ屋さんがプレートに「祝SMAP26周年」など文字を書いたことだろう。これもまた“スマノミクス”だ。
SMAPとSMAPファンは本当に素晴らしい。改めてSMAPとSMAPファンの皆さんに「デビュー26周年おめでとうございます」と伝えたい。