「今の相撲人気を支える稀勢の里には無理をしてほしくないというのが協会の本音。一方、毎場所のように金星が乱れ飛ぶなか“横綱は4人もいらない”という空気も漂っている。
稀勢の里は、“完全に休めば体がしぼみ、相撲勘も鈍る”という故・鳴戸親方の教えを守り、親方衆がいくら休場を勧めても、出場しようと必死にもがいている。協会内に擁護論も多い。“打算ばかりですぐ休む”といわれるモンゴル勢横綱に批判が集中するのは当然です。その空気は本人たちも敏感に察知している。
他の横綱の満身創痍ぶりを横目に、日馬富士が“優勝に向けて千載一遇のチャンス”と出場を決めたのも、結果を残して生き残りを図りたいという思惑がある」(別の協会関係者)
だが、万全でない横綱が簡単に優勝できるほど、秋場所は甘くはない。
大関初優勝を目指す高安、カド番の2大関、豪栄道と照ノ富士も必死だ。今場所を大関取りの足がかりにしたい関脇・御嶽海や、最年長大関昇進を狙う35歳の嘉風も侮れない。場所前に結婚を発表した小結・栃煌山もやる気マンマンだ。