この他にも、ヒノキのおがくずや米ぬかを敷く「酵素風呂」や、食事の代わりにオーガニックの野菜や果物のみを使ったジュースを飲む「ジュースクレンズ」も試していた。
2015年9月に胆管がんで亡くなった川島なお美さん(享年54)もまた、代替医療に頼っていた1人だ。
「ハワイの霊能者に“腫瘍は良性”とお墨付きをもらい、帰国後もドイツ製の機械を使った“波動テスト”を受けて、“がんではない”と診断された。それで安心したのか、精密検査でがんが確定しても手術を受けず、純金の棒で全身をこすって邪気を払う『ごしんじょう療法』や、『がん放置療法』に救いを求めていました。
西洋医学を頑なに拒否する川島さんを、夫の鎧塚さんは“幅広く反対側の意見も聞かなきゃダメだ”と説得したそうです」(川島さんの知人)
その後、川島さんは腹腔鏡手術を受けたものの、半年後の7月に再発。2年前の9月にこの世を去った。日本医科大学の腫瘍内科医・勝俣範之氏が解説する。
「代替医療のすべてがインチキというわけではありません。ヨガや音楽療法などを上手に取り入れることで、身体症状を和らげたり、不安を和らげたりする可能性があります。注意すべき点は3つ。1つは“がんが治る”“がんが消える”という誇大広告にあたる謳い文句。2つ目は、保険がきかない自由診療を行う病院。3つ目は体験談が強調された治療法。個人の体験談は真偽がわからない最も危ない情報です。こういった広告に騙されてはいけません。あくまで可能な限り標準治療を受けることが大前提です」
※女性セブン2017年10月12日号