この高台にある元国有地を2016年に中国資本が買収し、日本料理店をオープンした。店舗は周囲を崖や石垣に囲まれ、さながら「要塞」のようだ。港を監視できる場所をなぜ中国資本が買ったのか、疑念が深まる。
航空自衛隊千歳基地にほど近い高台では、約6500平方メートルの敷地に中国人専用の高級別荘が建つ。千歳基地が一望できる重要な立地だ。
◆一度買われるとなかなか取り戻せない
最近、中国が急接近を図るのが釧路一帯だ。 習近平が提唱する経済圏構想「一帯一路」では、中国から釧路沖を通過して太平洋に出るルートが重要視される。このため近年、中国政府の高官が続々と釧路を公式訪問し、様々なラブコールを送っている。
中国は長い時間をかけて戦略的に計画を遂行する国である。かつてウイグル人が住む土地にじわりじわりと入植して地域コミュニティを作った中国人は、ある日突然、「この土地は我々の自治区だ」と手の平を返して豹変し、ウイグルを中国の自治区として編入した。いまの北海道は侵略前のウイグルに似ていると心配する声は非常に多い。
実際に東日本大震災の時には新潟で避難する中国人らにより市立体育館が“占拠”されるという、「治外法権」のような事態が生じた。当時、新潟の中国総領事は、東北地方に住む中国人を市内3か所の体育館などに集めた。1万人の中国人が集まったとされる。