芸能

三遊亭白鳥 『落語の仮面』など破天荒な新作落語で人気

稀代のストーリーテラー・三遊亭白鳥の魅力は

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、破天荒な新作落語で稀代のストーリーテラーぶりを発揮する三遊亭白鳥の幅広い芸についてお届けする。

 * * *
 破天荒な新作落語で人気の三遊亭白鳥。渡世ブタ「流れの豚次」が男を磨く全10話の長編『流れの豚次伝』に続き、今年は女性落語家が主役の『落語の仮面』シリーズ(美内すずえの漫画『ガラスの仮面』のパロディ)も10話まで完成させるなど、その「稀代のストーリーテラー」ぶりはとどまるところを知らない。

 そんな白鳥が10月9日、「創作落語30周年記念リロード」と称して、678席もある日本橋三井ホールで独演会を行なった。題して「白鳥ジャパン雪月花」。こんなに大きな会場でやること自体凄いが、宣伝チラシの裏面にはこの30年で彼が生み出した大量の新作落語のタイトルがズラリと並び、「何かが起こる」と期待させた。

 そして実際、期待どおり。滅多に聴けないレアな演目3席が聴けた。

 1席目は「月」にちなんで『真夜中の襲名』。パンダウサギのピョン吉が上野動物園の大名跡「カンカン」を襲名しようとする噺で、落語界の大名跡襲名をパロディ化した作品。もともと林家こぶ平の正蔵襲名の時期に林家彦いちが作り、白鳥が受け継いだもので、林家いっ平の三平襲名のタイミングで当時の話題を取り入れて大幅に作り替え、白鳥ならではの危ない爆笑作品に仕立てていた。近年まったくやっていなかったこの噺を時代に合わせてリニューアル、今回久々の披露となった。

関連キーワード

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン