──投票する側も、どうせ自分の一票では何も変わらないという厭世的な気分が広がっているように思います。
畠山:そもそも、政治家というのは代議士です。僕らの気持ちや考え方に近い人が、僕らの代わりに議論をして、使い道を決めてくれているだけの人たちです。だからもっと、いろんな立場や考え方の人が立候補し、議論をして世の中のことを決めていくのが健全ではないでしょうか。
──とはいえ実際に立候補へ踏み切るのは、やはり難しそうです。
畠山:自分が立候補しないのなら、自分の代わりになる人を代議士として選んだ方が、より政治が近くなるということを忘れないようにしたいです。厳しい言い方ですが、”よりマシな地獄を選べ”という言い方を僕はしています。究極の選択のような気がして自分にとっての選択肢がそこにはない、と投票を投げ出さず、この中では任せてもいいかなと思うという程度の選択でも、選挙では投票した方がいいと思います。
●はたけやま・みちよし/1973年、愛知県生まれ。早稲田大学第一文学部在学中の1993年より雑誌を中心に取材・執筆活動を開始。関心テーマは政治家と選挙。ニコ生ではイチローに間違えられたことも。著書に『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)。取材・構成として『日本インディーズ候補列伝』(大川豊著、扶桑社)、『10分後にうんこが出ます』(中西敦士著、新潮社)、『新しい日米外交を切り拓く』(猿田佐世著、集英社)なども担当。第15回開高健ノンフィクション賞受賞作『黙殺 報じられない”無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)が発売中。