ちなみに由美演じるお銀がレギュラー入りするきっかけになったのは、「露天風呂でご老公の命を狙う」という大変な入浴シーンだった。混浴で暗殺未遂!! その後、ご老公の人柄に感じ入ったお銀は、人助けのために全国の風呂に入り続け、見事入浴200回を達成している。目的あっての入浴なのである。

 篠田の場合は、いまひとつ目的がよくわからず、しかも短時間。第8話で、ご老公と助さん、格さんが温泉に入ったシーンの方が時間的には長いくらいだった…。

 また、お色気度が低いのも篠田の特長。すらりとした身体、思いつめたような表情でじーっとご老公を見つめるくノ一詩乃は、どこかサイボーグっぽい。これから暗殺しようというのだから、にこにこしていたら変だが、入浴=明るいお色気というイメージを持つ私としては、もう少し遊び心を入れてほしかった。

 とはいえ、篠田のくノ一には別の注目点もあった。詩乃は商家の女将を拉致し、その顔をすっかり盗み取って、老公に接近したのである。正体を見破られると、ベリベリと忍者の特殊変装をはがして素顔をさらす詩乃。おお、久しぶりに見た、イリュージョン忍者!サイボーグっぽさがここで活きた。

 紀行番組では女優やタレントが入浴するのは当たり前。それでも『水戸黄門』で観る入浴シーンは、また別物の面白さがある。最終回、篠田とともにゲストの松坂慶子の動き(まさか風呂はないと思いますが。ニーズはかなりあるかと)も気になる。国民みんなで共有できる貴重な伝統シーンを受け継いでいってもらいたいものだ。お願いしますよ。

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