特徴的な声だと言われますが、ナレーション時は自分が出すぎないように気を付けています。
「いいドキュメンタリーだったね、語り手は誰だったの? ああ、平泉成だったんだ」ぐらいでいいんですよ。目立たなければいけないのは、主人公であり、テーマであり、登場人物たちが投げかけるメッセージ。僕が先に目立ってしまったら、それは失敗だと思うんですよね。
僕の存在を忘れて番組を見ていただけるのが、最も理想的です。僕のガラガラ声が邪魔しなきゃいいな、と(笑い)。
●ひらいずみ・せい/1944年生まれ、愛知県出身。俳優。『酔いどれ博士』(1966年)で映画デビュー。以後、NHK朝ドラ『あまちゃん』(2013年)、映画『シン・ゴジラ』(2016年)など映画やテレビ、舞台、CMで活躍。
◆取材・文/上田千春、撮影/槙野翔太
※週刊ポスト2017年12月15日号