──小泉さんは「この人ならやり遂げてくれる」と任せたのではないか。
「どうなんでしょう。小泉さんは総理になる前から、人をおだてたり、ご機嫌を取ったりという芝居じみたことはしませんでしたが、いずれ頂点に上り詰める人物だと思っていました。政治的にも堂々としていて、人間的魅力もある人でした」
進次郎氏が就任する前、二階氏は小泉父子と3人で食事をした。その席で、純一郎氏が二階氏の元で“修行”することを強く勧めたという見方がある。
──進次郎さんが二階先生のような“縁の下の力持ち”の仕事ぶりを勉強することは小泉さんも喜んでいるのでは?
「元総理の令息だから、という基準で見たことはありませんよ。10月の総選挙でも進次郎さんはずいぶん活躍してくれた。彼が若い自民党の象徴として全国各地で応援演説をしてくれたことで、有権者に『進次郎さんが応援するならこの候補に日本を託そう』という投票行動につながったのです。自民党勝利への彼の功績は大きい」
実は、進次郎氏は当初、筆頭副幹事長就任に消極的だった。当選6回の安倍側近、柴山昌彦・前首相補佐官の副幹事長起用が固まっていたことから、当選回数が下の進次郎氏は“先輩より上のポストに就くわけにはいかない”と固辞したのだ。そこで二階氏は柴山氏と進次郎氏の2人を「筆頭」に据える人事を提示し、進次郎氏は断われなくなった。