国税庁長官就任以来、記者会見も開かず、国会の参考人招致にも応じない佐川氏に代わって後任の太田充・理財局長がこんな“珍答弁”を繰り出した。
「金額のやりとりはあったが、価格の交渉はしていない」
上が上だから、下は平気でそう開き直る。国会での答弁が嫌で嫌でたまらない安倍首相は、ついに野党の質問時間を減らすという“禁じ手”に出た。先兵役を担ったのが萩生田光一・幹事長代行だ。
「直近の民意を考えれば、野党に質問時間を譲っているのは国民の理解を得られない」
自民党は「与党2対野党8」の配分だった質問時間を、与党の議席数が多いことを根拠に「5対5」にするように野党に要求し、野党が猛反発して特別国会は冒頭から紛糾。せっかく39日間の会期があっても、審議が行なわれない日が続いた。萩生田発言の狙いはそこにあったようだ。
「野党が抵抗すればするほど、国会の会期が消化され、審議時間が減っていくから好都合だった」
自民党国対筋は、陰でそう笑っていたのである。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号