◆大切なのは、結婚することではなく、幸せに生きること
──木宮さんはなぜ婚活を始めたのですか?
「困っている人がいたら救う」、これは僧侶としての基本だからです。出家をして僧侶になるというのは、職業ではなく、生き方なんですね。そういう生き方をしているわけですから、結婚したくてもできない人がいて、私にできることがあるならば、手を差し伸べるのは自然なことでした。
とはいえ、婚活をしたからといってお寺が賑うわけでもないし、婚活を全国に広げたいわけでもない。勝手に広がってしまってちょっとたいへん(笑)。もちろん、やる以上は一生懸命、クオリティのいいものをと思ってやっています。
このように商売でやっているわけではないですから、私たちの吉縁会で出会っていただかなくてもいいんです。他で出会ってくれればそれでいい。ただ少しでも、来てくれた方たちのマインドが変わってくれたらと思いますね。
──どのようにマインドが変わっていけばいいでしょうか?
木宮:本当に大切なのは結婚することではなく、幸せに生きることです。一人で幸せに生きていない人に、他人は魅力を感じない。また、こういう人と結婚したら幸せになる、なんてことは一つも決まっていない。仏教には「空」と教えがありますが、この世の中に決まっていることなんて一つもないんです。そういう中で、なぜ自分は結婚をしたいのか、自分にとって幸せな生き方とは何かを考えるようになってもらいたいと願っています。