──名実ともに、イクメンになったわけですね。
宮崎:それは少し違います。ぼくは“イクメン宣言”で大きく取り上げていただくようになったけれど、もともとは、ぼくが育休を取るとか取らないとかいう話ではなかったんです。衆議院議員規則では産休は認められているけど育休は女性議員にも認められていません。これはおかしいと、男性議員も含めて勉強会を始めたんです。
金子:私は市議の時代から男性の育休取得率が全然上がらないことについて対策が急務だと感じていました。宮崎にも当初からその必要性も説明していたし、要求もしていた。だから宮崎も、ごく当たり前にそういう動きをとったんだと思います。
宮崎:そう、ぼく個人がどうかよりも、制度がメインだったんです。勉強会を経て、衆議院議長に提言書を提出しようとしたら「手順も踏まずに何をやってるんだ」と。マスコミの報道も、“チャラい若手議員が同僚でもある妻のために育休を取りたがってる”というような軽々しい感じで、余計に心証は悪かったんでしょうね。
金子:そういうノリじゃなかったんだけどね。
宮崎:党内からも心ない批判の声が聞こえてきたり、担当していた職務を追われたりもしました。
金子:永田町は特にそういう空気が強いと思いますが、一般企業もそうであることが怖いんですよ。育休を取った男性は出世コースから外れるという空気があると、誰も育休を取ろうとしなくなります。誰かが勇気を持って、そんなことはないと示さないと、後に続く人が出てこないし、空気も変わりません。
撮影/藤岡雅樹(本誌)
※女性セブン2018年1月18・25日号