「女房に『現金をくれ』とせがむと、『カードがあるじゃない』と断わられるんだ。それでも食い下がると、『どうせ女でしょ』って。図星なんだけど、『その通りです』とは言えないから、諦めるしかなかった(苦笑)。あと、俺はすぐ時計や洋服を買ってしまうからガミガミ叱られたよ。怒る人がいなくなると買う気がしなくなるから不思議だね」
そう話す野村氏が「妻の不在」を最も実感するのは帰宅時だ。
「深夜の1時や2時に帰っても起きていたからね。『先に寝ろよ』と言っても必ず起きて待っていた。あれが“愛”なのかもしれない。でも今は家に帰っても誰もいない。とくに、冬だから家の中が冷え切っていて、ものすごく堪える。帰宅して真っ暗だと寂しいから、電気をつけたまま家を出るんだ」
インタビュー中、野村氏は何度も「この取材が終わると誰もいない家に帰るんだから憂鬱だよ」と呟いた。
※週刊ポスト2018年2月2日号