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野村克也氏「女房は最高の死に方。俺も苦しまずに逝きたい」

球界きっての名将も妻にはヤジられた

 野村克也氏(82)の妻・沙知代さん(享年85)が亡くなったのは2017年12月8日。死因は虚血性心不全だった。40年ぶりに過ごす妻のいない日々に、野村氏は何を感じているのか───。本誌・週刊ポストで沙知代さんが亡くなってから初のロングインタビューに応じてくれた。

◆「克則がいて助かったよ」

 救いだったのは、息子の克則氏一家が「スープの冷めない距離」にいることだ。彼らは野村氏が一人で暮らす敷地内に住居を構えているのだ。

「玄関は別の通りに面していても庭でつながっているので、『おーい』と呼ぶとすぐ来てもらえる。俺はもともと広い庭を見ながら悠々自適に老後を過ごそうと思っていたから、克則が『敷地内に家を建てたい』と言った時は反対したよ。ただ、女房は『いいわよ』と二つ返事だった。今となっては本当に助かる。こんな時が来ることをすべてお見通しだったんだろうね」

 そんな家族を野村氏は「典型的なB型一家」と評する。

「ウチの家族は克則の嫁さん以外みんなB型。とくに女房は自己中心的で、家のこと以外は『内助の功』や『縁の下の力持ち』とは無縁でした。自己顕示欲が強くてワガママで、典型的なピッチャーの性格だった。わが家の会話の糸口はすべて女房で、こっちは聞き役に徹していた。俺はグラウンドでも家庭でもキャッチャー一筋だった」

 監督時代の野村氏が試合に負けて帰宅すると、沙知代さんは「何やってんのよ」と容赦なくヤジった。

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