宮下:では、医師と家族の間で、安楽死の合意ができているのであれば司法は介入すべきではない、と。
養老:そう割り切れるかといえばまた違う。死は、一般化、つまりはルール化できない問題ですからね。
【プロフィール】
ようろう・たけし/1937年、神奈川県鎌倉市生まれ。1962年東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1995年東京大学医学部教授を退官し、2017年11月現在東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』『形を読む』『唯脳論』『バカの壁』など多数。
みやした・よういち/1976年、長野県生まれ。ウエスト・バージニア州立大学外国語学部卒。スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールで、ジャーナリズム修士。主な著書に『卵子探しています 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』など。
※SAPIO2018年1・2月号