「高齢者で元気な人を調査した欧米の研究データでは、(1)社会とのつながりを維持している、(2)趣味を持っている、(3)絵を描く、刺繍をするといった創造的活動を行なっている、(4)学び続けているという4つの特徴が挙げられています。いずれも、一般的に女性のほうが得意なことだと言えると思います。
とくに男性の場合、退職と同時に社会とのつながりがゼロになる人が少なくありませんし、仕事人間だった男性ほど無趣味という傾向がある。男性にとって退職は、最大のストレス要因だといえるのです」
帝京大学大学院教授で帝京大学医学部付属病院心療内科医師の中尾睦宏氏はこう語る。
「心療内科に来る患者さんは、男性よりも女性のほうが多い。これは女性は生まれつき本能的センサーが敏感で、初期段階でストレスに対処しているのかもしれません。
一方、男性はストレスに早い段階で対処しないため、気づいた時には脳卒中や心筋梗塞、がんなど、ストレスが引き起こした症状により重篤化してしまうのではないでしょうか」
早めに「加齢性ストレス」に対処することが、男性に求められているようだ。
※週刊ポスト2018年2月9日号