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ペット→人間への感染症の怖さ 放置して9割死亡する病気も

可愛がるにもリスクがある

 全国のペット愛好家に衝撃を与えるニュースだった。福岡県に住む60代女性が猫を飼育していたことが原因で亡くなったというのだ。この女性の死因は猫や犬から感染する「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」であり、同感染症による国内での死亡例はこれが初めてだと厚労省は1月に発表した。

 ペットなど動物からヒトに感染する「人獣共通感染症」あるいは「動物由来感染症」は、日本国内に数十種類程度存在するといわれる。

 現在、ペットの飼育数は犬が約900万頭、猫が約950万頭。全体では減少傾向だが、70代の飼育率は15.4%と横ばいで、ペット熱は依然として高い。その一方で「ペットに病気をうつされる」ことを認識して飼っている人は少ない。人獣共通感染症が専門分野の獣医師、日本大学医学部・荒島康友助教はこう言う。

「犬や猫の飼育場所が屋外から屋内に移り、抱き上げたりキスしたり、寝室に入れたりと、より直接的に接触する機会が増えた。それが人獣共通感染症を増やすことにつながっているが、飼い主の側がそれを自覚していない。体に不調を感じながらも、ペットから伝染した病気だと気づかずにいると、手遅れになってしまうこともある」

◆3割が亡くなる

 どんな症状の際に人獣共通感染症が疑われるのか。猫を飼っていて「足先のズキズキした痛み」や「発熱」があったら、「パスツレラ症」の可能性がある。

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