「咬まれたり、ひっかかれたりした後に、通常は2~3時間後、早い人では30分後くらいから患部が腫れ始める。放置しておいた場合には、敗血症や髄膜炎、気管支炎、肺炎などの症例もある。糖尿病や肝障害など慢性の持病を持っている人は、重症化しやすい」(荒島助教)
原因が思い当たらないのに慢性的な疲労を感じ続けている人は、猫が原因の「Q熱」かもしれない。
猫など哺乳動物が保有するコクシエラ菌が病原体で、全身の倦怠感や集中力の低下、腹痛などさまざまな症状を引き起こす。急性の場合、インフルエンザにかかった時のような症状や肺炎、髄膜炎などを引き起こすことも。とくに高齢者が発症しやすいといわれているから要注意だ。
「カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症」は猫だけでなく犬経由でも感染する病気。重症化すると肝不全や敗血症、髄膜炎などを引き起こし、多機能不全で命を落とす危険性がある。
「カプノサイトファーガという、犬や猫の口腔内に常在する細菌が原因です。発症は稀ですが、発症すると6時間前後で重症化し、約3割の人が亡くなる恐ろしい感染症。過去には新聞配達中に犬に手を咬まれ、翌日には虫の息になっていたという事例もあります」(同前)
犬から感染する「レプトスピラ症」、「エキノコックス症」も怖い。