「膵臓がん」の早期発見を可能にした超音波内視鏡検査の普及率はまだ低い。意外にも、東京の基幹病院でさえ導入は限られている。そもそも、膵臓の専門家は全国に3000人ほどしかいない上、超音波内視鏡は操作が難しく、高度な画像診断スキルが必要なのだ。
「最も大きな障害は、膵臓がん早期診断についての医者の認識不足だと考えます。CTやMRI検査だけでは“0期”の膵臓がんは発見できません。超音波内視鏡検査が広く普及していけば、膵臓がんで死ぬ人は確実に減るでしょう」
菊山医師はそう力を込めて語った。
●取材・文/岩澤倫彦(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年3月23・30日号