作製したCAR-T細胞は2週間培養された後に冷凍し、培養の途中で病原菌などが混入していないか安全性を検査してから投与される。白血病細胞株とマウスの研究で効果が確認されたため、厚生労働省の承認を得て、この3月から患者を対象にした臨床研究が始まる予定だ。
「今回は安全性を評価することを目的として、投与量を少量から3段階に設定し、適量を決めます。小児に多いがんですが、最初は16歳から60歳で骨髄移植後に再発した、他に治療法のない患者さんを主な対象にしています。その後、1歳以上に対象を広げ実施します。最終的には12~24人の患者さんを対象に臨床試験を行なう予定です」(高橋教授)
作製方法は違うが、アメリカで実施されたCAR-T細胞療法の臨床試験では80~90%で白血病細胞が消えている。
日本発のCAR-T細胞療法が保険承認され、世界に輸出される日が待たれる。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年4月13日号