投手と野手の二刀流で注目を集める根尾昴


「最強世代……春を連覇できたことで、近づいてきているかもしれませんし、そうなりたいと思っています。欲深いですが、これから(史上初となる2度目の)春夏連覇を目指すためには、まだまだ底上げが必要です」

 春連覇を牽引したのは、ドラフト上位指名が確実視される根尾と藤原だった。

 投手と野手の二刀流で注目を集める根尾は準決勝では劣勢の中、好リリーフを見せ、先発した決勝・智弁和歌山戦では2年連続の胴上げ投手に。一方、右膝のケガを負っていた藤原は、50メートルを5秒7で走る“足”よりも4番として“バット”でチームに貢献。準決勝では延長12回にサヨナラ打を放ち、決勝でも勝利を呼び込むタイムリーを放った。

 異能のふたりにどうしても目を奪われてしまうが、大阪桐蔭の快進撃を支えたのは、中学時代の華麗なる肩書きを持つ“最強世代”による熾烈なメンバー争いである。主将の中川卓也は、優勝後のお立ち台でこう話した。

「(新3年生と新2年生をあわせた)41人の部員全員の勝利です」

◆記録員も“元ジャパン”

 記録員の小谷優宇は中学時代から140キロ超を記録した右腕で、全国の有望選手を集めて米国遠征を行う野茂ジャパンに選出された経験を持つ。しかし、入学後は根尾や柿木、横川の陰に隠れ、公式戦での活躍の場はなかった。記録員として声がかかったのは昨秋だ。

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