国際情報

中国の動画配信 12歳の少女が170万円つぎ込んで大問題に

スマホを通じてあらゆる事態が起こり得る

 テクノロジーがお金の流れを変えている。人口の多い中国ではそのインパクトも大きいようだ。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 わずか3日間で10万元(約170万円)が消えてしまう──。ごく普通の家庭でこんなことが起きれば、間違いなく大騒ぎである。しかも、それがたった12歳の娘によって消費されたとすればなおさらだ。

 いったい何が起きたのか。

 実は、この謎を解くキーワードは中国でいま大きなブームが起きている「ライブ(直播)」にある。ライブとはスマホなどのアプリを通じてアクセスする個人の動画発信である。

 そのほとんどはレシピや調理の実演や化粧の上手なやり方、マッサージの方法から、おすすめ商品の紹介など、あたりさわりのない実用番組なのだが、一部にはアイドル化するライブキャスターが出現したり、女性の場合にはパソコンの前でワイセツな行為するものまでいるという。

 これらにはすべてアプリを通じて視聴者が「賞金」を贈ることのできるシステムがあり、発信者はその賞金を目当てに、視聴者の気を引こうとすることで、内容がどんどん過激化する傾向にあるとされている。

 すでに昨年から、家の財産をつぎ込み、夫から離婚される人妻や、ワイセツな発信は社会問題化していたのだが、ここにきて未成年が大金をつぎ込むという問題が起きて大きな話題となったのである。ちなみに娘がどういう類いの配信に傾注したのかは明らかにされていないが、たいていこういう場合はキャスターがイケメン、というのがパターンである。

 父親は娘からスマホ決済の暗証番号を尋ねられ何気なく答えてしまったことがあるという。娘はそれを使ってしまったらしいのだ。

 父親は、子供のやったことだとして返金を求めて訴えているようだが、ニュースを扱った『北京晩報』は、父親はきちんとスマホや暗証番号を管理する責任もあるとの意見も紹介している。

 それにしてもライブの集金力と潜在力を感じさせる話題だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/五十嵐美弥)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン