「全斗煥や盧泰愚など、罪に問われた歴代大統領たちはいずれも判決確定から1年以内に、特赦を得て出所した。前例に倣い、朴槿恵も当然特赦を得て自由の身になるにはどうすればいいかを考えているはず。
控訴審も出廷拒否を通して収監生活を耐えることで、欧米を中心にした人権擁護団体が“政治犯を釈放しろ”と韓国の政権へ圧力をかけるような展開を待つつもりでしょう。精神的に参っているという情報もありますが、同情を買うために悲劇のヒロインを演じ続けるのではないか」
しかし、思惑通りにいくかどうかはわからない。韓国の世論調査によると、今回の朴槿恵の判決に対して国民の約半数が「量刑が足りない」、約3割が「無期懲役が妥当」と考えているとの結果が出ている。
「文在寅・大統領は国内の保守勢力を一掃しようとしており、保守派の象徴になり得る朴槿恵を放免するはずがない。左派政権が続く限り、朴槿恵の特赦はないでしょう」(室谷氏)
万が一特赦されたら、今度は保守派が文在寅を追い込む番だ。こうして韓国政界の憎悪の連鎖は続く。
※週刊ポスト2018年4月27日号