海南省は面積が3万5000平方キロにも及ぶ南シナ海上の大きな島で、『中国のハワイ』と呼ばれるなど、中国政府は観光業に力を入れている。人口も930万人を擁しているが、農業以外には独自の産業はほとんど育っていない。
今後の海南省の開発について、『習近平の正体』などの著書もあり、中国問題に詳しいジャーナリストの相馬勝氏は次のように分析している。
「海南省ではこれまでの競馬以外にもカジノなどのギャンブル性の強い娯楽施設を認可する動きも出ており、中国政府は海南省を世界中から観光客を呼ぶことができる一大リゾートとして売り出そうとしている。地理的にも海に浮かんでいることから、中国大陸内の他の省市に与える影響が少ないとの利点もある。競馬場建設はその先駆けであり、習近平主席の強い意向が働いているのは確実だ。このため、海南省では今後、他の地域にない革新的な規制緩和措置がとられる可能性が高い」