「文科省が目指したのは自分の頭で考えて、積極的に学ぶ子供の育成です。1994年生まれはゆとり教育の目玉として導入した、教科にとらわれない『総合的な学習の時間』をどっぷりと施された世代。彼らが大人になった今各分野でゆとりの成果が開花していると思います」
前述の「この会社でやることはない」と辞めた会社員に代表されるように、この世代の若者は「組織」や「世間体」ではなく、「個」を重視する。前出の寺脇氏が言う。
「現在の30代ぐらいまでの世代は『組織』に属して、その中で評価されて出世していくことが重要でした。しかし、1994年世代が大切にするのは、あくまで『自分』です。自分の実力があれば、どの世界でも活躍できると本気で思い込んでいる世代。SNSを中心とするネット社会では、スキルや実力があれば、すぐに『いいね!』という評価が返ってくる。だからこそ、会社選びも“自分の力が伸ばせる会社”、“自分の目標に最も早く辿り着ける会社”という基準です。そして『個の力』が身につけば、その組織に長居せず次のステージへと進む決断をくだすのです」
まさに「メジャーで活躍する」という目標のために、まずは日本のプロ野球に入り、そこで実力を磨き、階段を駆け上がった大谷は1994年世代の象徴といっても過言ではない。大谷の母は本誌・女性セブンの取材に、「単身渡米した息子の挑戦に、親として一線を置いて見守りたい」と語った。大谷に続いて「個の力」で世界を席巻するのは誰だ…?
※女性セブン2018年5月10・17日号