「北朝鮮の金づるは日本だけではない。米朝関係が改善に向かって国連の経済制裁が解除されれば、まず中国と韓国から止まっていた投資がどっと北に流れ込む。だから金正恩がカネ欲しさに日本に譲歩する状況にはならないでしょう。むしろ、安倍総理が拉致問題で強硬姿勢を取り過ぎると、北は韓国と手を組んで慰安婦問題で日本を揺さぶってくる可能性がある」

 事実、日本政府が韓国の慰安婦支援に10億円拠出する慰安婦合意の交渉を行なっていた2015年に、北朝鮮外務省の報道官は、「日本軍性奴隷被害者は北側にもいる」と主張した。南北首脳会談での蜜月ぶりを見ても、文在寅氏と組んだ金正恩氏が安倍首相に「拉致交渉の前に日本はまず慰安婦に賠償金を払え」と、韓国と同等の請求を突きつけてくる可能性は高い。拉致被害者・蓮池薫さんの兄の蓮池透氏はこう言う。

「これまで『圧力』だけを唱えて、対話の糸口を掴むことさえできなかった安倍首相が今回、韓国やアメリカに頼んで拉致問題の進展を図ろうとしている姿は都合のいい責任逃れに映ります。現状は政府の対応が後手に回って主導権を金正恩に握られており、拉致問題解決に向けて日本に有利な状況が作り出されているとはとても思えない」

 金正恩氏に「会ってもいい」と言われて安倍首相が「支持率挽回のチャンス」とホイホイ会いに行けば、外交成果どころか国民のカネが格好の餌食にされかねない。

※週刊ポスト2018年5月18日号

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン