「ジャンプの“質”を評価するGOE判定の幅が広がる予定です。つまり、質の高いジャンプを飛ぶと加点がたくさんもらえ、反対に高難度ジャンプを成功させても、質が低いと判定されると点は低くなる。4回手に挑むような若い選手にも、ジャンプの質で対抗できるようになるのです。オーサーコーチはそうした戦略に長けています」
かつてキム・ヨナさんがトリプルアクセルに挑戦したがったとき、オーサーは必要ないと助言し、金メダルのためにはジャンプを安定させることが大事だと説いた。メドベージェワ選手がこれから難易度の高いジャンプに挑戦するかどうかはわからない。しかし、しなかったとしても、若い選手に対抗するための策を、オーサー陣営は練るだろう。
アニメファンとして知られ、日本でもファンの多いメドベージェワ選手。近年は情感豊かな演技に磨きがかかっている。さらに大人になっていくメドベージェワ選手は再び女王に返り咲くことができるのか。
「ライバル国のコーチにつくことで、“掟破り”という声もフィギュア界にはあります。でも、選手がコーチを変えるのは自由。メドベージェワ選手は長く続けたいと明言しています。選手寿命の短いロシアフィギュア界に一石を投じる移籍になるかもしれないという点でも、期待が持てます」(同前)