一人のコーチの下に両雄並び立たず──、しかし、この常識を覆すことをやって人がいる。その人こそブライアン・オーサーコーチだ。五輪2連覇を果たした羽生結弦選手と、世界選手権2連覇の実績を持つハビエル・フェルナンデス選手はよきライバルとして、またよき友人として、互いを尊敬し合っている。そのオーサーコーチに付くことを決めたメドベージェワ選手を、日本では応援する声が上がっている。
◆20歳でも大きなジャンプは跳べる
もう一つ、メドベージェワ選手がオーサーコーチにつく利点があるという。フィギュアスケートに詳しいスポーツジャーナリストはこう説明する。
「エテリコーチは大人の女子スケーターを育てた実績があまりありません。コーチとして頭角を現したのが最近なので、育てられないというより、まだ経験がないわけですが、女子選手は体型変化で大人になるとジャンプが跳びづらくなる。そこをどうやって克服するか。あるいはどう別の付加価値をつけていくか。その指導については未知数です。
対して、オーサーコーチが現在指導するカナダのガブリエル・デールマン選手(20)は、平昌五輪の団体金メダルに貢献するなど、ここ数年で飛躍を遂げています。彼女のジャンプは幅がすごい。20歳を超えた女子選手でも大きなジャンプを跳べることを証明しています。次の北京五輪をメドベージェワ選手は22歳で迎えます。その年齢でどういう演技をするのか。オーサーコーチとのタッグには期待が持てます」
さらに今シーズンから予定されているルール改正もポイントになると、同ジャーナリストは語る。