人間は何らかの違和感に対し、名称をつけてもらわなくては落ち着きが悪いのかもしれない。広告関連会社・博報堂ケトル共同CEOの嶋浩一郎氏は、「コギャルは“コギャル”という名前がつくまではヘンな格好をした女の子でしかなかった」という論を展開する。
かつて、ルーズソックス・茶髪・パンダ風アイメイクの娘を見た親は「ウチの娘はなんでブルーザー・ブロディのレッグウォーマーみたいな靴下を履いて顔の原型がわからんメイクをしておるのだ?」と不安になった。だが、「コギャル」という言葉を知り、それが全国各地に存在するスタイルであることが分かると「あぁ、ウチの娘はコギャルなんだ。そうかそうか。安心した」となる、と嶋氏は言う。
午後ティー女子は完全にハズしたが、「エアポート投稿おじさん」は肯ける。だが、当のおじさんからは「オレらを揶揄する若い女のお前ら、お前らだってブスな顔をピースサインで自撮りしたり、デブになりそうなホットケーキの写真をSNSに投稿してるだろ、これと同じだコラ」と反発したくなる。
こうしたことを言うのは図星だからに他ならず、やはりSNSでは自己顕示をしたいものの、それが自慢と取られぬ微妙なさじ加減でやる技術も必要だ。「エアポート投稿おじさん」は自慢であることが見透かされている。
さて、これからどんなおじさんカテゴライズが来るか。東大出身おじさんの息子が早慶に入った場合の「息子の合格校に落胆東大おじさん」はあるだろう。フェイスブックに「私と同じ大学には残念ながら入ることはできませんでした」などと書き、「早稲田(慶応)なんて羨ましいです! 息子さんは立派です」というコメントが書き込まれるのを待つおじさんだ。