芸能

「ウルトラ…」「100人に…」「マジカル…」クイズ番組の歴史

人気のクイズ番組をクイズ王が回想(画像/アフロ)

『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』(テレビ朝日系)や『東大王』(TBS系)、『ネプリーグ』(フジテレビ系)などクイズ番組が人気だ。

 日本におけるクイズ番組のはしりは1953年に放映を開始した『ジェスチャー』(NHK)だ。答えとなる単語を解答者の仲間が体の動きのみで表し、解答者が時間内に当てるという簡単な内容だった。

 テレビの普及率が上がり、番組の種類も増えるにつれ、1961年の『ズバリ!当てましょう』(フジテレビ系)、1969年の『ベルトクイズQ&Q』(TBS系)といった人気クイズ番組も増えてゆく。テレビ解説者の木村隆志氏が言う。

「この頃のクイズ番組出演者のほとんどが一般視聴者でした。当時は今のように海外旅行は誰にでもできた時代ではない。視聴者は海外旅行など憧れの高額賞金の獲得を夢見てクイズ番組に参加した」

 視聴者たちの欲望を満たすため、賞金額や賞品はどんどん値上がりしてゆく。その頂点が、1970年に放映された『クイズ・キングにまかせろ!』(フジテレビ系)で出品された約1000万円の高級マンションだった。しかし、このあまりに豪華すぎる賞品は「射幸心を煽る」として国会問題にまで発展し、結果、賞品や賞金の値段は100万円以内に定められた。

 それでも、視聴者のクイズ熱は一向に収まらなかった。

「あるあるある」のかけ声でおなじみの視聴者参加型クイズとして大きな人気を集めた関口宏司会の人気番組『クイズ100人に聞きました』(TBS系・1979~1992年)でナレーターを務めた橋本テツヤ氏が振り返る。

「あのかけ声は、演出ではなく会場の盛り上がりから自然発生的に生まれたものだった。それだけ盛り上がったのは、『100人に聞きました』が一般人100人に対して行ったアンケートの結果上位を推測して解答するというルールだったため、知識がなくても想像力を働かせれば正解できる斬新さがあったから」

 参加者の中から次第に圧倒的知識をもって数多のクイズ番組で活躍するクイズ王が現れるようになる。

 名だたるクイズ王を幾多、生み出してきたのは「ニューヨークへ行きたいか?」の名台詞で一大旋風を巻き起こした『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系・1977~1998年)だった。

「海外旅行がクイズ番組の優勝賞品だった時代に、わざわざ出演者をアメリカ本土まで連れて行き、ただただクイズを行うという手法はエポックメイキングでした」(木村氏)

◆「クイズ王」が振り返る「アメリカ横断ウルトラクイズ」

 そのスケールの大きさが視聴者の心を掴み、最高視聴率は34.5%をたたき出した。数字の上昇とともに、強者たちが番組に集結し、しのぎを削った。第15回大会の優勝者で、その後も『クイズ$ミリオネア』(フジテレビ系)などさまざまな番組で活躍した、元祖クイズ王・能勢一幸氏が言う。

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
OZworldの登場に若者が殺到した
《厳戒態勢の渋谷ハロウィン》「マジで両方揉まれました」と被害打ち明ける女性…「有名ラッパー」登場で一触即発の乱闘騒ぎも
NEWSポストセブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン