国内

離婚を止めてくれた猫 夫婦関係が良くなると猫の体調も回復

“夫婦仲”を感じとる猫(写真/アフロ)

 犬や猫と暮らしていると、彼らがいかに私たちの言葉を理解し、喜びや悲しみを分かち合ってくれるかがよくわかり、心を温かくしてくれます。実際、動物に触れると、幸せホルモン“オキシトシン”が分泌され、ストレスを和らげてくれるとか。そんな、人への愛にあふれた、にゃんこのエピソードを50才会社員女性が語ってくれた。

 * * *
「もう、別れましょう」

 結婚5年目。私たち夫婦は、些細なことでけんかを繰り返すようになり、何かというと“離婚”を口にするようになっていました。この日も、連絡せずに外泊した夫を私は激しく責め、離婚するよう詰めよりました。

 夫も売り言葉に買い言葉で、「そうしよう」と言いかけた時、私の足元にいた“みのり”が突然泡を吐き、苦しみだしたんです。

 みのりとは、オスの猫。新婚時代に夫とけんかし、家に入りたくなくてマンションのエントランスで泣いていた時、そばにきて、一緒にいてくれた迷い猫でした。私はその子を家に連れて帰り、そのまま一緒に暮らすようになったのです。

 体重が7kgもある大きな子だったんですが、とても甘えん坊で、お風呂でもトイレでも、私が行くところにはいつもついてきてくれました。もちろん寝るのも一緒。夫と私の間に入り、必ずどちらかの腕枕で眠っていました。子供のいなかった私たちにとって、みのりはまさに大切な“息子”でした。

 そんなみのりが倒れたとあっては、けんかどころではありません。すぐに動物病院に連れて行きました。肺に水が溜まっていて、もう少し遅かったら危なかったとのこと。けんかしたことも忘れ、夫婦でみのりの看病をすることになりました。すると不思議なことに、夫婦関係がよくなると、みのりの体調も回復していったんです。

 その後も夫婦げんかをするたびに、みのりは体調を崩すように。そんなことが続くと、もう偶然とは思えません。

 けんかをするとみのりが苦しむ…。

 私たち夫婦にとっては、それがいちばんつらいことだったので、次第に、どんな問題も冷静に話し合えるようになっていきました。

 ところが、結婚10年目を迎えた頃、けんかをしたわけでもないのに、みのりが倒れたんです。診断は白血病。倒れた数日後、私たちの看病もむなしく、みのりは天に召されました。(もう、ボクがいなくても大丈夫だよね)と言ってくれているようでした。

 みのりとの毎日は、私たち夫婦にとって宝物のような時間でした。この思い出がある限り、私たち夫婦はいつまでも仲よくいられるんだよ。毎年、みのりの命日には、そう伝えています。

※女性セブン2018年5月31日号

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン