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死亡率減少する「内科は若手医師・外科は高齢医師」の根拠

医師は若手と高齢のどちらが良い?

 医師の年齢と治療の実力には因果関係はあるのか? 統計調査によってこの疑問に対する回答が出た。

 論文の著者は、ハーバード公衆衛生大学院の津川友介医師(現・UCLA医学部助教)。本誌・週刊ポスト(4月6日号)で紹介した「男性内科医より女性内科医のほうが、入院患者の死亡率や再入院率が低い」という論文で世界的に有名になった研究者である。

 津川氏の研究では、内科医については、アメリカの病院に勤務する1万8854人の内科医が治療にあたった73万6537症例(2011~2014年)に関して、医師の年代ごとに患者の死亡率(入院30日以内)を比較している。

 それによると、医師の年齢が40歳未満では、患者の死亡率は10.8%、40~49歳では11.1%、50~59歳では11.3%、60歳以上では12.1%となっている。医師の年齢が上がるほど、死亡率が上昇しているのだ。

 一方、外科医については、4万5826人の外科医の手術を受けた89万2187人の症例(2011~2014年)を対象に、医師の年代ごとに患者の致死率を比較している。

 その結果、外科医の年齢が40歳未満では、患者の致死率は6.6%、40~49歳では6.5%、50~59歳では6.4%、60歳以上では6.3%だった。つまり、外科医の場合は内科医とは逆で、医師が高齢になるほど致死率が低くなったのである。

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