西城さんが「いつまでも芸映の一員でいたい」と言うと、青木氏は「それは変わりないよ」と返したという。青木氏は西城さんに衣装代やステージの小道具がいくら掛かるかなどの金銭感覚を身に付けてほしかったとも述べている。芸能記者が話す。

「1970年代から1980年代にかけての芸能界は、老舗の渡辺プロダクションから大物歌手がマネージャーを引き連れて次々と離れるなど混沌としていたが、現在と同じように『事務所独立』はタブーだと認識されていた。しかし、社長が正直に気持ちを話したことで、その後の西城さんの歌番組出演などに支障は出なかった」

 独立後初のシングルで、もんたよしのり作詞作曲の『ギャランドゥ』は13万枚を売り上げ、『ザ・ベストテン』にも3週ランクイン。西城さんの代表曲の1つとなった。西城さんの歌謡界での功績の背景には、彼を大きく育てようと考えた周囲の人たちの理解があったことは間違いないだろう。

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