「今流行りのインスタ映えではないですが、“テレビ映え”する映像の存在が大きいです。そもそもアメフトというスポーツはマイナーで、経験者はごく少数だし、ルールを知っている視聴者だってほとんどいません。
しかし、たまたま観客が撮影していた映像がツイッターで出回った。しかも、見栄えのする赤色と青色のユニホームの選手が入り乱れ、激しく接触する“迫力”と“スピード感”のある映像。誰が見ても反則だとわかりやすい。もしあんなにきれいに映っていなかったら、テレビが取り扱うこともなく、今でも全国の人が騒動を知ることもなかったと思います」
実際、「タックル映像」が初めて『めざましテレビ』(フジテレビ系。5月14日放送)で流れると高視聴率をマーク。テレビ業界にはその噂が広まり、後追いするワイドショーやニュース番組が続出。あれよあれよという間に、“社会現象”になった。
テレビ局がほしがる「画」でなかったら、宮川選手の会見に報道陣が殺到することも、そもそも会見を開くこともなく、彼は充分に反省した上でまだアメフトを続けていたかもしれない──。
23日に行われた内田前監督と井上前コーチの会見にも150人を超える報道陣が詰めかけた。司会者の日大広報部職員が「しつこいですよ」「監督、話さないでください」と“暴言”を吐いたことも話題になった。しかし、砂川氏は「司会者が苛立ったのも理解できる」と、こう指摘する。
「テレビのアナウンサーたちが同じような質問を何度も何度も繰り返していました。記者は普通、質問を準備して会見に臨みますが、他の記者が同じ質問を聞いたら自分はその質問はしないものです。しつこく聞いたのは、テレビ局の都合のように感じます。
各局はいろんな番組の女子アナやサブキャスターを会見に送り、彼らが監督やコーチを追及している場面の映像がほしかったんでしょう。今回は特に監督やコーチから納得のいく説明がなかったから、どの番組も“ウチが追及したい”と。だから、同じ局でもそれぞれの番組で“画”がほしいから、次から次に同じ質問をする女子アナが出てくる。“ウチの女子アナが活躍してますよ”というアピールにも見えます。記者会見としては、稚拙な印象を受けました」
したり顔で「大人に腹が立つ」と語ったキャスターがいたが、「大人の事情」で騒動を拡大させたのは、誰なのか。
※女性セブン2018年6月14日号