石田:10代、20代は女の子も男の子も、同世代とつきあうと負けたくなくて競うけれども、40代くらいになると、そういうのもなくなってラクで楽しければいいやって。恋愛の局面において包容力があるので、競わずにすむし、駄目なところを詰めずに受け入れてくれる。そういう部分はすごくいいと思いますね。

柴門:私の周りは肉食女子が多いのか、30代から50代前半くらいまでの友人はみんな欲望があって、話をすると恋愛を求めている。

石田:その欲望って、50代半ばくらいで落ち着いちゃうの?

柴門:そこはまだ取材中。でも、欲望や欲求がある友人たちは、エロス的な映画や小説が大好きで情報交換も活発で。あれはよかった、もっと読みたいとか、そこからいろいろと想像力を膨らませて楽しんでいる。中には「肉体的に満たされたい」とはっきり言う女性もいて、大人の女性の欲望はニーズがあるなとずっと感じていたんです。

石田:つくづく思うんだけど、女性の欲望はどうしてこんなに隠されちゃったんだろうね…。男性が求めた時だけ応じていればいいんだ、くらいの扱いでしたよね、ずっと。

柴門:私よりちょっと上くらいまでの世代は、それが当たり前だったんですよ。処女が嫁入り道具という、そんな時代だった。で、処女じゃない子は結婚初夜でいかに処女のふりをするか、みたいことが真剣に雑誌で特集されるような時代だったわけです。とはいえ、女性は妻になったら絶対に貞淑でいなければいけない、結婚するまで処女で、一生ダンナだけ、みたいな抑圧されていた世代もじっと我慢していたわけではなくて、フィクションですごい妄想を広げて欲望を満たしていたんですよね。

撮影/平林直己

※女性セブン2018年6月14日号

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