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「虫歯がない人は歯周病にならない」は本当か

 70代の女性患者は「歯周ポケットの深さ8ミリ、動揺度3(※注)」という重度の歯周病だった。歯科医の多くが、抜歯を勧めるケースだ。女性は徹底した歯周基本治療(SRP)と口腔ケアを1年間続けた結果、歯周ポケットの深さと動揺度が正常値に回復したのである。

【※注/前後に2ミリ以上、上下左右にも歯が動く状態。4段階中、最も進行した段階を指す】

 日本臨床歯周病学会の認定歯科衛生士・太田由美氏は、長い経験から次のように確信しているという。

「歯周病でかなり酷い状態になっていても、基本治療をしっかりやって正しい口腔ケアを始めると、数日で歯肉は見違えるように変化していきます」

 だが、実態としては、歯周病治療に長期間通っても、一向に良くならないという患者も多い。なぜか?

「他院で治らなかった患者のほとんどが“歯周ポケット検査を初めて受けた”というので驚きました。それでは、どの程度まで歯周病が進行しているか、分からないまま治療することになります」(太田氏)

 検査が行なわれないケースに加え、基本的な治療でも“手抜き”があるという。

「歯周ポケットの中にある歯石は、血液で黒ずんだ色をしています。それが手付かずの人は、強固にこびりついています。私の印象では、他院でまともに歯周ポケット内の歯周病治療(歯石除去)を受けている患者は1割程度。これでは炎症が引かないし、歯周病はいつまで経っても治りません」(太田氏)

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