データベースでも、〈俗に、「味覚を正常に保つ」「生活習慣病を予防する」などといわれ、亜鉛欠乏症や栄養失調による病気の治療、味覚減退の改善など、一部にヒトでの有効性が示唆されている〉と評価されている。
だが、過剰摂取によって、神経症状、吐き気、嘔吐、腎機能障害などのリスクも指摘されている。『買ってはいけない健康食品 買ってもいい健康食品』(だいわ文庫)の著者で、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏はこう指摘する。
「亜鉛は体に必要な金属ミネラルですが腸での吸収率が低く、過剰に摂取すると粘膜が吸収を受けつけず、嘔吐や下痢として体外へ排出しようとします。同時に他の金属ミネラル、鉄や銅が吸収されにくくなり、貧血が生じます。また亜鉛を長期的に過剰摂取すると、体内に残った亜鉛が腎臓に作用して腎機能障害を起こす怖れもあります」
データベースでは、〈アルツハイマー病に亜鉛の蓄積が関わっている可能性がある〉とも記されている。
※週刊ポスト2018年6月29日号