だが、カルピス着想の原点は、三島がモンゴル高原で親しんだ遊牧民の伝統食である乳製品という事実は変わらない。

 三島は、遊牧民から動物の乳から作られる乳製品の作り方を学び、カルピスに活かした。原料は、牛乳と砂糖。99年後のいま、当時と同じ秘密のレシピで、カルピスは作られている。カルピスは、モンゴルの草原が生んだ日本人の国民飲料なのである。

【プロフィール】
◆やまかわ・とおる/1977年、山形県生まれ。東北学院大学法学部法律科卒業後、國學院大學二部文学部史学科に編入。大学在学中からフリーライターとして活動。著書に『捕るか護るか?クジラの問題』『東北魂ぼくの震災救援取材日記』『それでも彼女は生きてゆく3・11をきっかけにAV女優となった7人の女の子』など。

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