“家族”に迷惑をかけた清原氏は保釈後、しばらくは沈黙を貫いていたが、1年経った昨年の6月、スポーツ雑誌『Number』で「告白」と題した連載をスタートさせた。その1年間にわたる連載を加筆・修正した本が、7月27日に発売される。タイトルは『清原和博 告白』(文藝春秋刊)。《告白1 岸和田の少年》や《告白2 人生を変えた16の夏》など23章で構成されている。
書かれているのは清原氏という1人の野球選手が歩んできた軌跡だけではない。覚せい剤に手を出したきっかけや、刺青を入れた経緯なども赤裸々に語っている。また現在、清原氏がうつ病の治療をしていることや、2週間に1度、薬物の検査を受けていること、気がつくと自殺サイトばかりを見ているなど、衝撃的な内容が掲載された、いわば“暴露本”である。
亜希たち“家族”に関する記述もある。引退試合の後、清原氏が家に帰った後、亜希は寝ていて、彼の帰りを待っていなかったこと。2014年3月に“薬物疑惑”が『週刊文春』に報じられた後に、亜希が息子たちを連れて出ていったことなどを告白している。
《告白23 今もまだ暗闇の中にいる》では、覚せい剤を使用していた時の家族との関係を《まわりが言うような、僕が家族に危害を加えたとか、そういうことは決してなかったと自分では思っています…》と胸中を綴った。
◆100回記念大会に姿を見せる
しかし「なぜこのタイミングでの出版なのか」と、亜希でなくても思うはずだ。
「その告白本の発売を機に、清原さんは『元高校球児』として、野球にかかわる仕事に再び取り組みたいという思いがあるそうです。あの事件があったにしろ、清原さんが今も甲子園のレジェンドであることには変わりはありません。当時テレビ中継していたアナウンサーが叫んだとおり、“甲子園は清原のためにあるのか”と思わされたファンも、まだまだ根強くいます。プロ野球界への復帰が絶望的な中、清原さんがそこに活路を見出すのは、自然なことといえるでしょう」(スポーツジャーナリスト)