「前年11月に事件が発覚した頃から、(笠原と親しかった)高木の関与も取り沙汰されていたが、高木は“名前を貸していただけ”という嘘の弁明を通し、球団もその主張を認めて“お咎めなし”としていた。そうした経緯があったため、後に高木も“クロ”だったことが明るみに出た際、“貴重な戦力を守ろうとする意図があったのではないか”と勘繰られたのも当然でした」
現在も、福田ら“先発処分”の3投手はNPBに復帰できないままだが、高木は処分が解けた2017年3月に巨人と育成契約を結び、再びユニフォームに袖を通す。今シーズンは支配下登録選手となり、一軍のマウンドに返り咲いている。
高木の反省と更生、そして“元来の実力”が、復活を手繰り寄せたことは間違いないだろう。だが、プロ球界復帰が事実上閉ざされたままの3選手と高木の運命の落差、そして巨人という球団がそれぞれに注ぐ愛情の格差も感じてしまう。
(文中一部敬称略)
※週刊ポスト2018年8月3日号