こうした国家による核拡散の防止は、アメリカだけではなく世界全体の利益だ。結果的に見れば、トランプ氏はこれを守ったのである。トランプ氏は大統領に就任してから、国内的にはアメリカ社会を硬直させていた過度なポリティカル・コレクトネスを打ち破り、対外的には国連の制約を打ち破ってきた。そして、第二次大戦後の国際秩序を尊重しない北朝鮮の姿勢をも打ち破ることに成功したのだ。
彼は企業家として、手段を選ばない相手に対してはあらゆるコストを払ってでも火消しすべきだとわかっていたのだろう。トランプ氏が北朝鮮を止め、平和をもたらした結果、日本は最大の受益者のひとりとなった。その事実は、もっと素直に理解されるべきではないだろうか。
現在、日本は大きな岐路に立たされている。それは、今後の日本が確固たるヴィジョンを持たないままにアジアに引きこもり続けるか、戦略的思考を持って西側諸国と緊密に連携し、改革するべき部分を改革するかだ。いま、日本がアジアで往年のような地位を占めることはあり得ない。日本は西側諸国のパワーと結びつき、改革を進めなければ、やがて国家の安全すらも保障されなくなるだろう。
◆日本は自信のなさから脱却を
近年の日本は、金融の分野において世界で最も失敗した国家である。日本は過去数十年にわたる財産をいつの間にか使い果たしてしまったが、これは本当に深刻な失敗であって、日本の国民は非常にかわいそうな目に遭うこととなった。