ジャニー社長のネーミングとはちょっと違うが、最後にジャニーズのグループ名の表記の工夫についても触れておきたい。Hey! Say! JUMPは、“a”の文字だけセンチュリーゴシックという書体を使っているのをご存じだろうか(本稿では表記の関係で通常のaを使用)。ほかにも、Sexy Zoneの“xy”の文字の色は赤と決まっている、KinKi KidsはKだけ大文字…など。そんな細かすぎるこだわりが、ファン心をくすぐるという。
「知る人ぞ知るポイントを入れておくのは、とても重要です。自分だけが知っているとファンが満足感を得たり、豆知識をほかの人に披露できて優越感に浸れます。コアファンから情報は拡散していくので、コアファンを得るために、こだわりポイントを入れるのは、マーケティングでは王道の手法です」
以上のことから、ジャニーズのグループ名のネーミングに広告業界のコピーライターが見習うべき点は多いと、原田さんは舌を巻く。
「しっかりとマーケティングの基本的なことを押さえながらも、かなりジャンプして変則的なことをしている。それは普通のコピーライターではなかなかできないことです」