「メールアドレスが書いてある場合には、【メールで問い合わせ】→【連絡先電話番号を聞く、遠方の場合は振込先を聞く】→【入金後振込票の写メを送ることで送った証明をする、住所、振込先は隠さない】といった手順を踏みます。中には自宅ではなく、局留めで送ってもらう人もいると思います」
メールアドレスではなく、電話番号がいきなり書かれている場合もあるという。
「俺はだいたいこっちでしたね。郵送よりも早いし、相手の雰囲気もわかりますから。基本的に一番新しい日付の書き込みを信用して電話をかけます。面倒くさいのは嫌なので、都内手渡しと案内があるものを選びます」
この時、非通知でかけると「通知してかけて」と切られるという。だが、番号を通知すれば売人につながる。
「インターネットを見たんですけど冷たいの押してるんですよね(※覚せい剤を売っているんですよね)、という会話から始まって受け渡し場所と時間を決めます。取引は双方封筒に入れた現金とブツを日常会話しながら交換、そのままバイバイです」
手渡しの場合は最寄り駅や自宅まで届けてくれる売人もいるという。しかし、薬物の売人は確実に裏社会の住人のはずだ。接触して危険な目に遭うことも考えられるが……。
「ほとんどすべての売人は、日本人ですね。その筋の人ですか? とは聞けないですけど、暴力団関係者は多いと思いますよ。だけど、そこはジャンキー同士のよしみだったり、販売元と顧客という関係もあったりして、そんなにヤバイことにはならないですよ」
とはいえ、基本的に売人と顧客はダークウェブを通じてすれ違うような関係性だ。薬物を販売するといって偽物を売られて詐欺にあったり、売人に警察の内偵捜査が入っていて逮捕されるといったリスクはないのだろうか。