姉の佳奈四段とともに美人姉妹棋士として活躍
ファンサービス、普及活動中心だった奈穂さん。去年、一昨年と、手合いの成績は悪かった。
「30歳も越えたし、年齢的には大変なのはわかっていましたが、なぜか2018年はいいはずだ、って思えたのです」と奈穂さん。
じつは2年半前、台湾に行った際、尊敬している棋士の先輩に紹介された占い師に見てもらったところ、「戌年の運がいいです」と言われたそうだ。「きっと2018年はいいことあるんだなあ」くらいにとらえ、その時はそんなに真剣には信じていなかったのだが……。
占い通りに今年は私生活でもめでたく結婚を決め、身を固めた。お相手はポスト井山裕太六冠のひとりである若手有望棋士の伊田篤史八段。なんと戌年、24歳だ。
2人は以前から仕事や研究会などで一緒になることも多かったが、奈穂さんは「後輩の中ではちょっと違うな」と感じていたという。伊田さんは9歳も年下なのに、タメ口をきき、対等な感じで突っ込んでくる。
「私、生意気な後輩、男女問わず好きなんです。こいつやるなあ、って」と奈穂さん。
昨年4月につきあい始め、話はトントン拍子で進み、なんと今年2月、交際わずか10か月で入籍したのだ。意外な組み合わせでびっくりした人も多かったことだろう。
「私が住む東京と伊田が所属している名古屋とが離れていたせいか、自然に付き合っていても周囲には気づかれませんでした。伊田は素朴な人です。食べ物の好みも合うし、勉強したいとか散歩したいなどのフィーリングが合うので、楽なんです」
伊田さんとつきあいだして、奈穂さんの碁風も変わった。
「昔は先行逃げ切り型で、部分にこだわっていました。けれども伊田から全体を見る目が大事と教わりました」
2人で研究して、伊田さんの考え方を聞き、「目から鱗」のことが多かった。自分の対局でも「伊田ならどう打つかな」と考えながら打つようになったという。