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高校球界から「PL」が完全に消える日──現校長が独白

 しかし、決勝の河南高校戦では、守備の乱れによって失点を重ね、打線も相手エースから1点も奪えず、0対5で敗れてしまう。斉藤大仁監督が振り返る。

「相手に傾いた流れを打破できず、一方的な展開になってしまった……。ここまでミスなく勝ち上がってきたので、ショックです」

 軟式球で遠投110メートルという驚異の鉄砲肩を持つ主将で捕手の相曽轄也(あいそ・かつや)は、もともとPL学園中学時代は硬式野球部への入部を夢見ていた。しかし、2014年秋の新入部員募集停止によって、硬式野球で甲子園を目指すことを断念し、高校進学後も軟式野球部に所属してきた。

 攻守のキーマンである相曽は、3回に自身の2塁への送球エラーで2点を相手に与え、打撃では3打数無安打。ひとりで敗戦の責任を感じていた。

「あくまで全国制覇が目標で、全国大会には出場しないといけないと思っていた。正直、悔しいです。試合中にミスしてしまったんですが、自分が落ち込むことによってチームのムードが下がるので、気にしないようにしていたんです。でも、試合が終了して、今、後悔が……」

 PL学園の軟式野球部はベンチ入り可能な18人より少ない16人の選手しか登録されていなかった。しかも、そのうち8人が3年生だ。現状のままでは、試合が可能な9人に満たない部員数で新チームがスタートすることとなる。

 試合後、斉藤監督は選手と保護者を集めて、衝撃の事実を発表した。

「新チームは人数が8名しかおりません。結論としては、秋の大会は辞退します」

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