表舞台に立つ2人の佇まいだけでなく、楽曲制作者も常識を打ち破っていたのだ。
南野陽子や野村宏伸出演で、10月開始のドラマ『追いかけたいの!』(フジテレビ系)の主題歌でもあった同曲はオリコン初登場19位からじわじわと順位を上げていき、ドラマ終了後に初のトップテン入りを果たし、1989年2月13日付で1位を獲得。
当時の人気歌番組『ザ・ベストテン』では1989年1月5日に6位で初ランクイン。3月2日に初の1位に輝いた。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の中で『ザ・ベストテン』についても章を設け、初公開と思われる歌手の“年別ランクイン数”も丹念に調べ上げた芸能研究家・岡野誠氏が、Winkの凄さを話す。
「『ザ・ベストテン』は1989年9月限りで終了したため、この年は39週しかランキング発表がありませんでしたが、Winkは39回ランクイン。当然、この年1位のランクイン回数です」
6月15日から5週ベストテンに入らなかったが、3月30日から5週連続で『愛が止まらない ~Turn it into love~』『涙を見せないで』の2曲が同時ランクイン。そのため、発表週数と同じランクイン数という驚異的な記録を作ったのだ(※『ザ・ベストテン』は1週に2曲登場すれば2回ランクインと数える)。
1978年から1989年まで約12年間の歴史を見ても、Winkは突出した存在だったという。
「番組最後のランキング発表である9月28日、『淋しい熱帯魚』のランクインは11週目で、6位でした。次のシングル『One Night In Heaven ~真夜中のエンジェル~』が11月1日発売のため、もし番組が続いていても発表週数とランクイン数が同じにはならなかったかもしれませんが、『ザ・ベストテン』を彩った歌手の1組だったことは間違いありません。