「神社本庁や神政連はこれまで安倍政権を支持してきたが、首相がどこまで本気で神社本庁の主張に向き合ってきたかは疑問。靖国神社参拝は1回だけ、政権奪還時の公約だった政府主催の建国記念日記念行事も行なわれていない。自主憲法制定もウヤムヤにされた。
全国の神主には首相への不満もあり、神社本庁上層部は“今は我慢しろ”と抑えているのが実情です。そこに元号の事前公表問題が出てきた。神社本庁にとって譲れない一線であり、状況次第では安倍批判を抑えられなくなる可能性もある」
安倍首相とすれば、思わぬところから上がった火の手が瞬く間に燃え広がり、足を掬われた。総裁選の微妙な時期に、支持組織や側近議員たちの訴えを無視して敵に回すわけにはいかないという事情がある。
元号問題をめぐる「内からの反乱」は、首相個人の政治基盤に直結するだけに、“軽量級”の総裁選対立候補より手強く、悩ましい。
※週刊ポスト2018年8月31日号